アカネ(茜)アカネ科 アカネ属Rubia akane |
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山野にごく普通に見られるつ る性の多年草。茎は四角形で、 下向きの細かい刺がある。葉 は4個ずつ輪生し、長さ3〜 7cmほどの三角状卵形で先 は細くなって尖る。花は直径 4mほど。花期は8〜10月 で本州から九州まで分布する。 |
日野市内では、段丘崖の緑地や丘陵部など広範囲で普通に見られるつる 性の草です。四角形の茎の稜には下向きの刺が並び、他のものにひっかか って伸びます。 4枚輪生している葉のうち、向き合っている2枚は※托葉が大きく発達 したもので偽輪生とも呼ばれます。上の写真でもお分りのように、本当の 葉の柄の基部から枝が出ているのに対し、托葉の基部からは枝は出ません。 花はやや黄色がかった白色で、花冠は5裂、稀に4裂し、そのため雄し べも5または4本。雌しべには2つの花柱があり、子房は花冠の下に突出 して下位子房となります。日野市近辺では、ちょうど今頃9月の終りから 10月に花盛りとなます。果実は球形がふたつ並んだ形で、花期の間から どんどん丸く膨らみ、晩秋に熟して黒い液果となります。 |
※托葉 葉の基部付近にある付属体。双子葉植物で多く見られる。葉状、 刺状など色々な形がある。 |
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似ているアカネ科ヤエムグラ属のヤエムグラやヨツバムグラなどは、果 実が皆液果ではなく、花冠はほとんどのものが4裂しています。 根は太い髭状で黄赤色ですが、干して乾かすと赤紫色になり、いわゆる ※「茜染め」の染料に用いられていました。しかし、高度な技術が必要な ために、現在ではセイヨウアカネが主流になっているといいます。根は利 尿・止血などの薬用にも用いられるそうです。 中国名は茜草と書きセンソウと読みます。 |
※茜染め アカネの乾燥した根を臼でつき、熱湯を加えて煮出した液で染 めたのが茜染め。初めは鮮やかな色だが、数年寝かせると深みのある赤色 になる。染める布や糸は媒染剤の灰汁(あく)に百十数回つけて1年ほど 寝かせてから本染めにかかる。非常に時間と手間がかかるので、現在では 秋田県鹿角市に伝わっているだけである。(山と渓谷社「野に咲く花」より) ◆見出しの部分に書かれた横文字は、学名といいラテン語をもとにして作 られています。Rubia は属名 akane は種小名、その後に命名者の名前が続き ますが、省略されることが多いようです。アカネの学名の最初の Rubia は、 ラテン語の ruber 赤に由来しているとのこと。東西ともにこの仲間が、赤い 色素を取るのに用いられたことが分ります。(保育社「野草図鑑」@より) |
※解説文の作成にあたっては、主に山と渓谷社発行のポケット図鑑3、
山渓ハンディ図鑑1、保育社の野草図鑑@を参考にさせて頂きました。
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