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山野の林縁や原野にややま れに生えるつる性の多年草。 葉は卵形または卵状楕円形で 互生し、枝先では3、4枚が 集まってつく。全体に白い毛 が散生、特に葉の裏には多い。 花期は7、8月で、北海道から 九州に分布する。 |
日野の自然を守る会で精力的に活動されていて、一昨年の8月にお亡く なりになられた故片岡尤ニさんに教えられ、東光寺緑地でバアソブの花を 探して歩き回ったのは、もうかれこれ5、6年以上前のことでした。8月 の終わりで、バアソブの花期としてはもう終わりの方だったのですが、幸 いいくつか花が咲いていて、見ることができました。 ソブとは、長野県木曽地方の方言でそばかすを意味し、花冠(かかん) の内側の斑点を、お婆さんの顔のそばかすに見立ててつけられた名前だそ うです。 花はキキョウ科の他の花に見られるように、風船のような状態から先が 割れて開花します。雄しべ先熟といって、先に雄しべの葯が割れて花粉を 出し、それが終わってから雌しべが熟します。これは自花受粉、あるいは 自家受粉を防ぐためと考えられています。 |
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※ページの最初の写真は、すっかり花粉が無くなり雌しべが活動中のもの。
バアソブによく似た仲間にツルニンジンという種類がありまして、バア ソブに対して、ジイソブと呼ばれることもあります。ツルニンジンの方が 花期が1ヶ月ほど遅くなります。都立平山城址公園西側の都立長沼公園に はジイソブが結構見られますが、日野市内では見られないようです。 よく似ていますが、バアソブに比べ全体に毛が少なく、バアソブよりも 少し大きめです。両方ともユリやノハナショウブなどと同じ刮ハ(さくか、 またはさっかと読む)ですが、ジイソブの種子には翼がついていて風に飛 ばされるのに対して、バアソブの種子には翼がなく、キャビアのような黒 い種子が詰まっています。 ちなみにツルニンジンの名は、下の写真のように根がチョウセンニンジ ンの根に似ていて、つる性だということからつけられた名前だそうです。 どちらもクズやヘクソカズラなどのような強い繁殖力はなく、花を見るこ とはそう多くはないようです。 |
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※解説文の作成にあたっては、主に山と渓谷社発行のポケット図鑑
1・2・3、山渓ハンディ図鑑1・2を参考にさせて頂いています。
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