デジタルカメラの記録メディア


SDカード

東芝と松下電器、SanDiskが共同で提唱しているメモリカード規格。SD とは Secure Digital の略。マルチメディアカード(MMC)を発展させ、著作権保護機能を搭載したもの。そのため両者の大きさはほぼ同じで、縦32×横24×厚さ2.1mm ( MMCは厚さ1.5mm )。 SDカードが使用できる機器はほとんどMMCも使用できます。 ただしSDカードの方が厚みがあるので、MMC用の機器でSDカードは使えません。
最近(2010年)では、オリンパス、フジ、ソニー以外の、多くのメーカーのデジカメで使われている記録メディアです。


SDHCカード
Secure Digital High Capacity の略。2006年1月にSDアソシエーション(SDA)によって規格化された。サイズは従来のSDカードと同じだが、SDカードの上位規格で 4GB以上の記憶容量を実現した。SDカードはファイルシステムにFAT16やFAT12を採用しているが、SDHCはFAT32を採用し2GB〜32GBまでの大容量を実現。そのため、SDHCカード対応機器でSDカードの読み書きはできるが、従来のSDカード対応の機器ではSDHCカードの読み書きはできない。
※ SDカード対応のデジタルカメラをお持ちの方が、うっかり容量が大きいからとSDHCカードを買ってしまうと、認識されないことが多々あります。購入前にカタログやメーカーサイトの仕様説明を良く読み、SDHCに対応しているか調べておくと良いでしょう。


コンパクトフラッシュ
SanDisk社が提唱するメモリカード規格。通電しなくても記憶が消えないフラッシュメモリと、外部との入出力コントローラ回路を1枚のカードに。 PCカードアダプタを使えば PC Card Type IIスロットに挿入可能で、パソコンのリムーバブルメディアとしても利用可能。SDカードやXDピクチャーカードに比べて大きいので、最近(2010年)では一眼レフのデジカメ以外では使われていません。
サイズは縦36.4×横42.8mm。厚さ 3mm のタイプ I と、厚さ 5mm のタイプ II の2タイプがあります。古いコンパクトデジカメでCFカードを使っているものがありますが、ほとんどがタイプ I 仕様でタイプ II は使えません。


メモリースティック
ソニーが提唱・製造するメモリカード規格。サイズは縦21.5×横50×厚さ2.8mmの棒状。パソコンやデジタルカメラ、携帯デジタルオーディオプレーヤーなどで利用。128MBまでの記憶容量のものがあり、サイズを小型・軽量にした「メモリースティックデュオ」や、最大容量を2GBまで高め転送速度を高速化した上位規格の「メモリースティックPRO」などの派生規格があります。


XDピクチャーカード
2002年にオリンパス工業と富士写真フイルムが共同開発、発売しているメモリカード規格。サイズは縦20×横25×厚さ1.7mm、重量 2g とメモリカードでは最小。512MBまでの無印タイプと、2MBまでのMタイプ(大容量タイプ)、M+タイプ(大容量ハイスピードタイプ)、Hタイプ(大容量ハイスピードタイプ)とがある。MicroSDカードを差し込めるアタッチメント MASD-1 も発売されたが、XDピクチャーカードとは形状が異なっているため、MASD-1 が使える機器でないと使えません。オリンパス、富士ともにSDカードを利用したデジカメを発売し始めたことから、近い将来撤退を発表するのでは、と見る業界関係者も少なくありません。


MicroSDカード
microSDはSanDisk社のメモリカード TransFlash とまったく同じ仕様になっていて、SDカードに関する業界団体SDアソシエーションが、TransFlash を正式な規格として承認したものと言えます。サイズは縦15mm×横11mm×厚さ1mmで、重量は1g未満。カメラ付携帯電話の記録メディアとして良く使われています。SDカードへの変換アダプタを使えばSDカードスロットやSDカードの使えるカードリーダー&ライターなどで読み書きができます。



■ 今はもう、あまり使われていないカード ■


マイクロドライブ
IBM社が開発したPCカード型の小型ハードディスク。サイズはコンパクトフラッシュのタイプ II と同寸。直径約28mmの小型・軽量磁気ディスク(回転数 4500RPM)を採用。そのため加重や衝撃に弱い。記憶容量は340MBから最大で8GB(2006年)。モーター駆動によりディスクを回転させているので消費電力が多きい。コンパクトフラッシュと同様に、PCカードアダプタを使えば PC Card Type IIスロットに挿入可能。デジタル一眼レフの上位機種以外では使われていません。


マルチメディアカード
1997年に Siemens社* と SanDisk社が共同開したメモリカード規格。サイズは縦32×横24×厚さ1.4mm。 当初は4MBだったが、現在は64MBが主流。仕様上は4GBまで拡張可能。日立製作所が2000年に三洋電機、富士通と共同で、著作権保護機能を付加した携帯音楽機器向けの SecureMMC を開発しました。
* Siemens社は 現在 Infineon社


スマートメディア
東芝によって提唱されたメモリカード規格。サイズは縦45×横37×厚さ0.76mm、重量1.8g。PDAやデジタルカメラで利用。機器との接続に必要なコントローラーを内蔵してないので、構造が単純でメディア単価は安い。PCカードスロットに接続するためにはアダプタが必要。容量は16〜128MB。最大容量が128MBであるために、昨今ではほとんどの機器で採用されていません。XDピクチャーカードと同じように 22pin の端子が剥き出しになっているので、端子に触らないよう注意が必要。