彼とランチを食べている時の会話の中で、自分はお金はたくさん持っていると言っていた。別荘を買えるほどの貯金があると。それが本当なら彼のお金、もしくはクレジットカードが使えればいい訳である。
夜何回も彼に電話をかけていたら、運良く出たので「家に現金とかクレジットカードとかないの? あれば警察官呼んで立ち会ってもらって中に入り、おれが家の中から持ち出すから。」というと、あるとのこと。また、お前は信用しているから、警察官など呼ばなくていいと。そして鍵の隠してある場所と、現金、クレジットカードの入っているカバンのしまってある場所を事細かに説明した。
翌朝早速彼の家に行くと、確かに言われた場所に家の鍵、現金、クレジットカードの入ったカバンがあった。お~! これでかみさんに離婚されずに、彼を日本に戻すことができそうだと安堵した。自宅に戻り、かみさんとカバンの中をチェックすると、クレジットカード2枚と、封筒に入った現金32万円、それに預金通帳などなど大事なものが皆入っていた。
早速大使館に連絡すると、クレジットカードが使えるかチェックし、使えるようならその情報を彼のスマートホンにメールで送っておいてくださいとのこと。そして今日は金曜日なので、彼が大使館に来てくれればその日のうちにパスポートを発行(彼はパスポートも無くしていた)し、航空チケットを購入して日本に送り返しますとのこと。
午前11時頃彼がまた電話に出たので、大使館で帰国の手配をしてくれると説明し、早く大使館に行くよう伝えた。その時の受け答えでは、あと30分で大使館に着くとか言っていた。しかしその後待てど暮らせど大使館から彼が着いたとの連絡が入らない。
昼食後また彼に電話をしたところ出たのでなぜ早く大使館に行かないのかと言ったが、なぜか電話番号が分からないとか、わけのわからないことを言っていて埒が明かない。そしてとうとう大使館の閉まる時間になってしまった。大使館の人もずっと待っていたのに...。帰国は月曜日までお預けとなってしまった!
その5に続く
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